陽の傾いた清滝川の流れを見つめる無口な二人
お尻が痛くなるほど座っているのに まだ立ち上がらない
かわいい二人


      川原に何人かハイキングの家族連れがいた時には
      笑ったり、話したり出来たのに 今は怒ったように黙りこむ
      恋に不慣れな 幼い二人


      きっと 手も触れていないんだ
      日暮れが迫り 誰もいなくなったから
      何を言い 何をしていいのか、わからずに
      きっと 思いきり緊張してるんだ
           誰もが そうだった
           実は私の初恋も舞台は同じ清滝だった




   パレットを洗い 折りたたみの椅子や三脚を片付けながら
   何故か うきうき こそばゆい 晴れた五月の日曜日
表紙