黒目を入れ、口を切る前に
お話ししておきたいことがあります。


それは、蛙に白目を貼り付けてから黒目を入れるのか
それとも黒目を屑繭に沢山入れておき、いいのを選んで
パンチで打ち抜くのか、ということに関してです。


口でいえば、他の一切が出来上がってから切り抜くのか、
それとも、頭を胴とくっつける前に切り込んでおくのか
という問題です。


  常識的に考えたら、ロスを少なくするために
  失敗の確率が高い黒目は本体につける
  前に入れておくべきでしょう。
  全部仕上がったのに口で失敗、という
  のも、くやしい話です。
でも、くやしさを覚悟の上で、私はみなさんにマブタ
目・口・鼻の順番での作業をおすすめしたいと
思います。映画や小説でラストシーンをつくってから
スタートするのは、かなりの熟練者がやることで素人が
まねるとケガをします。



私の意見に対する、私の反論もつけ加えておきましょう。
何事によらず、世の中には常識に逆らうことを
旨とする人達がいて、彼らが新しい道をきり開き
歴史をつくってきました。
クリエイティブな発想だとか、オリジナリティに富んだ
作品だとかはセオリーやマニュアルの対極に
あるものです。“届かぬパットは入らない”のです。
ダブルボギーを覚悟の上で、バーディーをねらってみる
心意気が心地いいではありませんか。
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