京都のランドマークが京都駅と御所だとすれば
嵯峨のそれは渡月橋と五山送り火の鳥居形だ
ということになるのでしょうか。藤原定家の百人一首で
知られる小倉山の麓を北上する道筋に日本史の
名場面を飾ったいくつもの舞台がつらなります。
天竜寺前の嵐山店から、あだしのまゆ村本店までの
約1,800mは繭1個分の糸の長さに相当する
こともあって嵯峨のシルクロードと呼ぶにふさわしい
歴史的、或いは文化的景観の真只中をつないで
います。



ピンクで示した部分は約600mで正式には
“伝統的建造物群保存地区”と呼ばれて
います。北側半分が茅葺きの農家風、南側
半分が瓦葺きの町家風と建築様式の移り
変わりを見ることが出来ます。一の鳥居を西に
折れて保津川の峡谷ぞいを行けば、柚子の里
水尾へ、トンネルを抜ければ蛍の里・清滝へ、
西山パークウェイを走って紅葉の里・高雄へと
つながる、奥嵯峨はもう一ッの京都への
入口でもあります。
表紙