たとえば馬を作る場合、胴に対する
首の高さ、頭や脚の長さや耳の大きさ
等を“何センチにして下さい”と
言ってしまえば、作りやすいのかも
知れません。



でも、私がそうしないのには
理由があります。
それともう一ツ、私はみなさんに正しい馬
を作って欲しいのではなくて、良い馬を作って欲しい
と思っています。サラブレッドでなくてもムスタング
でなくても、カッコイイ馬や面白い馬、コッケイな馬
味のある馬であれば、それで充分です。
それは1個づつ、大きさの違う繭を3個もつなげて本体を作れば
かなりの違いになってしまいますし、大きくなったり小さくなったりした本体を
見ながら、頭や耳や脚の大きさをきめていくのでなければ、バランスの
いい馬にはならないだろうと、思うからです。
教科書の中に“私だけの”や
“世界にたった一ツの”はありません。
チョットした間違いや偶然が
ノーベル賞につながることを
田中さんが教えてくれているでは
ありませんか。

これでは答えになっていない、と
お叱りを受けそうです。

出来れば物作りに無縁な
多くの人達を誘い込みたい私と
しては“親切で優しい村長だ”
と言われるように振舞わなくては
なりません。
そこで、部品のサイズがわからないと
不安で心配で、どうしても作れない
という人には、絵を描いてみることを
おすすめします。
中心になる繭の長さをはかって
それとのバランスを考えながら
絵を描けば、絵の各部分を
はかることで、サイズの見当を
つけられます。
それを各部分ごとに前脚は2.7cm
後脚は3.0cm等と書き出しておけば
おおよそ絵の通りに仕上がるのでは
ないでしょうか。
表紙